グリーンおじさん雑記帳

VRChatでの日々やVRまわりのことに関するメモなど。

2回のオンライン日本酒試飲会を終えて

1.はじめに

もう1ヶ月ほど前ですが……3/28に「オンライン日本酒試飲会2」を毬栗会とVRC1989年以前爆誕会(以下、爆誕会)の共催という形で開催しました。

当日はVRChat(以下、VRC)の調子が悪くて開始が30分ほど遅れてしまいましたが、盛況のうちに幕を閉じました。ご参加いただいた皆さん、運営の皆さん、ありがとうございました。

今回はオンライン日本酒試飲会2を終えて思うことを書いていこうと思います。

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オンライン日本酒試飲会2の集合写真

2.オンライン日本酒試飲会とは

公式サイトを見てね、というのが手っ取り早いのですが、私なりに説明してみましょう。

日本酒試飲会、つまり日本酒を試しに飲む会を普通はオフラインでやるところオンラインでやる、という会です。

始まりは毬栗会を主催する毬栗たるとさんと「何か毬栗会と爆誕会でコラボイベントをやりたいね」という話があって、単に合同開催の飲み会という形では結局毬栗会拡張版にしかならなそうだったので何かひと工夫したいということで、提案されたのが日本酒試飲会でした。爆誕会には日本酒を好きな方が何人もいて、一方で毬栗会には日本酒に興味はあるけど何を飲んだらいいかわからないという方が何人もいて、ならば日本酒を軸にしてつながるのも面白そうだと。日本酒を楽しむきっかけになればと思っています。

飲む日本酒に関しては運営メンバ4名が自分の出身・在住地の地酒*1をそれぞれ選び、参加者はそれら4種類の日本酒から1つまたは複数を事前に購入して準備してもらうようにしました。他の銘柄で参加してもよいのですが、できるだけ同じ銘柄の日本酒を一緒に飲むことで交流を深める一助にしたいという思いがありました。

開催場所となるワールドは2回とも大宮さんに用意してもらいました。大宮さんのオンライン日本酒試飲会感想記事はこちら。

oomiyabeya.hatenablog.com

3.日本酒と私

オンライン日本酒試飲会をやってみての感想の前に、日本酒と私の関係について簡単に書いておきたいと思います。

日本酒を初めて飲んだのは大学生の頃でした。最初は安い居酒屋の名もなき「日本酒」を飲んで正直日本酒は美味しくないと思っていました。好きなのは青りんごサワーでした。ですが、所属サークルで期末の打上げに使った日本酒居酒屋でちゃんと名前と出身地のついた様々な個性のある地酒を飲むことで初めて日本酒の美味しさに気づきました。その頃は獺祭、村祐、鍋島、飛露喜、十四代が私のお気に入りでした。その後、大学卒業する頃には一周回って名もなき日本酒の良さもわかってきて、特に毒々しいきれいな緑色に輝くライムと日本酒のカクテル「酒ライムロック」(以下、酒ライム)は私のお気に入りとなりました。VRCにおける私のアバターのイメージカラーが緑色なのは、かつて酒ライム画像を貼り付けた緑色の櫻歌ミコを使っていた系譜上にあります*2

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2007年5月2日の酒ライムロック

大学卒業後も日本酒を飲む機会は多く、20代の元気な頃は金曜日の仕事帰りにmixiでマイミクに向けて「今から飲む人~!」と呼び掛けて突発飲み会をよくやってました。家でもお酒は飲みましたが、日本酒は原則として日本酒を売りにする居酒屋で飲んでいました。日本酒の保管と適切なおつまみの準備が大変なので、そこはプロに任せておこうという考えからです。

このようにたぶん普通の人よりは日本酒を飲んでいる私ですが、うんちくを語れるほど詳しいかというとそうでもなく、自分が美味しいなあと思う日本酒を単に美味しいなあと思いながら飲んでいることがほとんどです。深く考えていないので他人からどんな味か聞かれてもうまく答えるのが今でも難しいですね。

4.やってみてどうだったか

4.1.新しい銘柄へのチャレンジが増え守備範囲が広がった

オンライン日本酒試飲会の推薦銘柄の選定には、運営メンバが自分の出身・在住地の地酒から一定の価格以下*3のものを選ぶ、という制約が課されました。私は静岡出身・東京在住*4なので、そのどちらかの地酒から推薦銘柄を選ぶ必要があります。ですが、私は獺祭や東北の地酒を中心に飲むことが多かったので、まずは静岡と東京の地酒を色々取り寄せて飲み比べるところから始める必要がありました。近年はアルコールへの耐性が落ちてきて、限られた量しか飲めないので新しい銘柄にチャレンジするよりは既に過去の経験から勝利が約束された銘柄ばかり飲むようになっていましたが、オンライン日本酒試飲会の推薦銘柄選定を通じて、久しぶりに色々な銘柄にチャレンジして、結果として守備範囲が広がったように思います。前述の理由(限られた量しか飲めない)から、ある程度高い方を先に選びがちでしたが、価格を一定以下に制限されたのも新鮮な経験につながりました。

チャレンジ精神が高まった結果、オンライン日本酒試飲会の推薦銘柄選定とは関係なく色々飲んでみたくなり、結果として今、私の冷蔵庫の中には9種類の日本酒の四合瓶が入っています。

4.2.日本酒を語る言葉をもう少し持とうと思った

私はこれまで日本酒を自己満足で飲んできたし、これからも原則としてはそれで良いと思っていますが*5、オンライン日本酒試飲会への参加者の中には初めて銘柄を意識して日本酒を飲む人たちがいてその人たちに向けて伝わる言葉で推薦銘柄の説明をしてできるだけ好みに合った銘柄を選んでもらってこの会を通じて日本酒を好きになってほしいですし、日本酒好き同士で話す際にもオフラインなら「これ美味しいよ」「ちょっと、頂戴」というやり取りだけで済むことをオンラインでは相手に伝わる言葉で表現する必要があるので、今後は他者に説明するという視点をもう少し持って日本酒を飲んでいってみたいと考えています。自分の感覚を言葉にすることを避けて長い時間を生きてきたので簡単ではないとは思いますけどね。こういう風に思えるようになるのも良い経験です。

4.3.役割分担のあるイベント開催経験ができた

私の主催する爆誕会の運営は基本的に私が決めて私が実行しています。会としての方針、飲み会開催日時、ワールド作り、タイムテーブルなど……。それでも運営体制として複数人でやっているのは、他者の意見を発散し過ぎない範囲で聞けるようにすることと私が機能不全に陥った時に爆誕会を維持できるようにすることのためです。なので、定例飲み会をやっていく分には役割分担とか意志の統一とかあまり考えなくても良いです。

一方、オンライン日本酒試飲会には、全体とりまとめとTwitter運営の毬栗たるとさん、共催者としての私、日本酒を推薦するメンバ、ワールド制作の大宮さん、という運営メンバがいて実質的な役割をそれぞれに担っています。そのため、オンライン日本酒試飲会では運営内部での意思疎通が大事であり、運営の皆さんがそれを意識してくれていたからこそ、当日VRCの不具合に見舞われても、粛々と対応できたと考えています。この役割分担のあるイベント開催経験を爆誕会含め他の所でも活かしていければと思っています。

5.今後について

5.1.門戸の狭さについて

オンライン日本酒試飲会は「日本酒」という限定があること、さらにできるだけ推薦銘柄の中から事前に現物を用意してもらうようにしていることから、比較的門戸の狭いイベントだと思います。お酒が飲めないとか日本酒を飲めないという方々には少し寂しい思いをさせてしまうかもしれませんが、前述の理由に基づく門戸の狭さは今後も是非とも維持していきたいと考えています。毎日のように日本酒好きを囲い込んでいたら「たまには門戸を広げてほしい」という気持ちもわかるのですが、爆誕会についての記事で「「隔週開催2時間程度のイベント」をする分には年齢制限のあるイベントがあったって良い」と書いたのと同じような理由で日本酒という軸から決してブレないイベントが時々はあったって良い、というか、その方が楽しい!と思っています。日本酒を他の物事に置き換えても良いです。門戸の広いイベントが日常的にある中で、時々、ある特定の物事にフォーカスした尖ったイベントがある、そういうVRCイベントライフを私は望みます。

5.2.新型コロナ禍の中で

皆さんご存じの通り、今は新型コロナ禍と呼ばれる状況下にあります。私は一人暮らしなのでオフラインで誰かと日本酒を飲むことは完全になくなってしまいました。行きつけのお店は休業しました。こういう状況においては、オンラインでの日本酒試飲会はみんなで日本酒をテーマにして飲む貴重な機会ですから、第3回も夏以降にやりたいと考えています。今後、日本酒の製造や流通がどうなっていくのかわかりませんが、その時にできる何らかの形でやりたいと考えています。

最後に、これを機に皆さんも通販*6で日本酒を買って飲みましょう!と言いたいところですが、巣籠もり中にお酒の消費量が増えているというニュースもあるので、健康には気を付けて、日本酒を楽しんでいきましょう!

 

日本の酒 (岩波文庫)

日本の酒 (岩波文庫)

 

*1:特定の地域で作られている酒のこと。

*2:たまたま翠星石Meたんといった私の好きなキャラクターも緑色ですが。

*3:第1回は5,000円程度まで、第2回は送料含めて3,000円程度まで。

*4:かつて住んでた県まで挙げるとあと何個かあります。

*5:様々な物事について、原則は現在の・自己の満足と語りつつ、それを一旦意識の枠外に出してから、過去や未来の自己を含む他者を意識して考え始める、というのが個人的に精神的安定をもたらす思考法なのでそうしています。

*6:臥龍梅は外出せずに購入できるように最近オンラインストアを開設しました。今後そういう例が増えるかもしれませんね。