グリーンおじさん雑記帳

VRChatでの日々やVRまわりのことに関するメモなど。

アスタリスクの花言葉の思い出

はじめに

9/28 21:00から11/3 22:20頃まで、途中台風による延期も含め1ヶ月以上かけてプレイ時間としては計15時間ほどで、VRChatのワールド「アスタリスク花言葉」(ヨツミフレームさんにより公開されました)を探索しました。すぐに感想を書くつもりだったんですが、基底現実とVRでのあれこれのイベントなどもあって、ようやくまとまった時間をとれたので、忘れないうちに(もう結構忘れていますが)感想を残しておきます。

 

あ、露骨なネタバレはしないつもりですが、ネタバレあり、としておきます。

探索に至るまで

私は「アスタリスク花言葉」以前からヨツミさんが好きで、と言ってもブログを読んだり遠くから眺めたりしているだけだったんですが、「アスタリスク花言葉」準備段階からその公開を楽しみにしていました。ヨツミさんの好きなところは、そのアバターや振る舞いのかわいさだけではなく、文章や作品によってバーチャルとは何だろうか、リアリティとは何だろうか、ということを考えさせてくれるところです。「アスタリスク花言葉」でもどんな問いを投げかけられてそれについて私たちは何を考えるのだろうかと楽しみにしていたのです。

 そんなに楽しみにしていたのになんで9/13 21:00の公開直後に行かなかったのか? それは私が他者とコミュニケーションをとりながら謎解きをすることを苦手としており、その上、公開直後のTLに飛び交う感想から「ずいぶんと難しそうだ。それに徹夜でインスタンスを維持しないといけないとすれば勤労おじさんには難しい」という印象を持ち、とはいえ、解き方や結末だけ誰かに教えてもらうというのも違うだろうと思い、行きたいが行けないという気持ちをしばらく温めていました。

やがて「アスタリスク花言葉」を最後まで体験した人々の感想が聞こえてくるようになります。あまり涙もろくなさそうな(実際はどうか知りませんが)フレンドが「泣いた。ぜひ行ってみてほしい」と勧めてくれたこと、インスタンスを維持し続けなくても何日間かに分けて最後まで体験した人たちの事例を知ることができたこと、そしてそんな時にTwitter上で特に仲の良い人たちが「アスタリスク花言葉に行ってみたい」という話をし始めたことで、「アスタリスク花言葉」探索を決意しました。

Twitter上で「何週間もかかるかもしれないけどゆっくりアスタリスク花言葉を探索します」的な告知をして、冒険者6名(大宮さん、のぞみさん、ショウジさん、lcamuさん、寝る前さん、私)+既クリアのガイド1名(senさん)が集まりました。私は問題集の解答ページをいきなり見ることは良しとしませんが、教科書(ここではヨツミさんのツイート群やブログ内容)で推奨されているやり方にはまず従ってみるタイプなので、最初からDiscordサーバを新規で作り(なんかその時の気分がウィザードリィの迷宮探索に臨むときの気持ちだったのでボルタック商店やカント寺院みたいなチャンネル名にしてました)、調整さんで1週間分の予定入力をさせ、9/28 21:00から第1回探索と決めたのでした。

探索を通じて思ったこと

全体を通じて

  • 行って良かったです。これは間違いない。じゃあ誰かに行くことを勧めるかというと……無差別に勧めることができるものではないと考えています。ただ、もしヨツミさんのブログを読むのが好きだったり、バーチャルやリアリティについてついつい考え込んでしまうような人であれば、つまり私の志望動機と同じものを持っている人であれば行ってみてほしいと思います。
  • 個々の濃淡はあれどある程度は知っている人たちで探索パーティを組んで正解でした。ハードな問題に複数人でコミュニケーションをとりながら取り組むとき、ただでさえしんどいのに、初対面の人とだとさらにしんどくなると思います。だとすると、メンバ集めの軸が私だったせいで、他の面子にはその面での負荷を強いてしまったかもしれないですね。
  • ワークショップ型の研修みたいだな、と思いました。これは基底現実の方で脱出ゲームに参加した時も思いましたけど。基底現実でのそういう研修とかゲームというのもある種のバーチャルリアリティだと思うんですが、現代のVR技術を使うことで格段に没入感を増すことができて、私のような少しひねくれた人間でも茶番感をあまり感じずに楽しむことができるようになるんじゃないかなと考えています。また、ワークショップ型の研修を会社やチームの一体感を高めるという方向で突き詰めた先にあるものの一つとして合宿型研修や社員旅行のようなものがあると考えており、「アスタリスク花言葉」での体験はそういったものが持つ効果も探索パーティメンバに及ぼしたのではないかと思っています。少なくとも私は「最高のメンバーだぜ!」と思って終えることができました。
  • 場所と思い出について考えることがあります。ある場所に立った時、その場所での経験が思い出されて、感傷に浸るということがあります。それは基本的には物理的に存在する場所で起こっていたはずですが、VRChatでも多くの時間を過ごすうちにそういう場所が少しずつできていきました。「アスタリスク花言葉」もそのひとつです。一連の探索が終わった後も、publicインスタンスの6部屋目でひとりぼんやり過ごしていることがあります。自分にとってのこういう場所がまたひとつできたことは嬉しいことです。

各部屋について

  • 1部屋目。そこはいつも雨。私一人なら一つのところにじっとしていないから、ここでもう無理になってたかも。
  • 2部屋目。ここに関してTwitterで落胆や失望を多く見かけた気がします。「なんでもありなんだ」という心構えができていたおかげでまずググるということができました。それでも最初は大宮さんの『不思議の国のアリス』あらすじ朗読会という面白い状況になっていました。
  • 3部屋目。解を出すためのロジックを考えるところまでは楽しくできたと思いますが、私一人だったら手先が不器用すぎて重ね合わせが無理だったと思います。最後の解を見つけるためのあれは模範解答では横に並べているのが衝撃でしたね。私たちは最初縦に頑張って並べていましたからね。なので砲台を回転させるみたいに数人がかりで各方向を向いていましたね。これも面白い状況だし、良い思い出です。
  • 4部屋目。私はハブの役割だったんであまり動かなかったですが、discord通話で色々想像を巡らせるのも面白かったです。諸々終わってから、実際に現地に行って遊びました。
  • 5部屋目。6部屋目への行き方まったくわからねーとなり、見かねたガイド役のsenさんが「2部屋目に来てくれたらヒントをお伝えします」と言ってくれたのですが、誰もそこに行かなかったのが面白かったです。
  • 6部屋目。ガチャガチャやってたら開いてしまったパティーン。こういう偶然性って私は面白いし大事にしたいと考えていて、100のインスタンスがあったら、100の歴史がそこにはできてくるのだと思います。それを共有する人はかけがえのない「歴史の証人」で、特に「アスタリスク花言葉」では大事な要素になると思います。
  • 7部屋目。またdiscord通話が活躍しました。ただ、ほぼ解が出かけたところで、謎のロック解除となり、たまたまJoinしてきたばかりの人を疑っちゃいました(friend onlyでインスタンス立ててたので探索メンバ以外も入れる)。ただ、たぶんインスタンスがちょっと壊れ気味だったんじゃないかと思っています。
  • 8部屋目。ここはガイド役のsenさんから「まず自力で解くことはできないだろう」と事前に言われていたんですが、初見メンバの自力でドアを開けることができたのは素晴らしいと思います。
  • 9部屋目。ここの感想に関しては、「アスタリスク花言葉」の思い出をどう語るのかに表すのが良いだろうと考えています。とても面白かったです。あの機能がちゃんと同期できるかどうかひそかにヒヤヒヤしていましたが(他のワールドで一人だけダメみたいなこと時々あったので)、なんとか同期したまま終われてよかったです。

おわりに

「探索が終わった」とは書きましたが、おそらくは私たちはまだ全てを見たり理解したりできてはいないのではないかと考えています。これには2つの意味があって、1つはヨツミさんの言動から察するに「アスタリスク花言葉」として公開された全てを私たちは見ることができてはいないのではないかということ、2つ目は「アスタリスク花言葉」を通じた私の思索にはまだまだ続きがあるだろうということです。

最後に、貴重な時間を割いて集まってくださった6名に改めて感謝を申し上げます。

 

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解散前に撮った1枚