グリーンおじさん雑記帳

VRChatでの日々やVRまわりのことに関するメモなど。

VRC1989年以前爆誕会を始めて1年(なぜなに編)

正確には始めてから1年と1ヶ月が経ちましたが、「VRC1989年以前爆誕会」(以下、爆誕会)という会をVRChat(以下、VRC)で主催しています。節目ということで、ちょっと振り返ってみようかなと思います。思ったより長くなってしまったので、「なぜなに編」ということで「なぜ爆誕会を始めたのか」と「爆誕会とは何なのか」で一旦区切ろうと思います。明日以降書く気持ちが残っていれば「やってみた感想編」的なタイトルで後編を書きます。

爆誕会参加者の方々及び今後参加しようと思っている方々へ:内容を読んで「こいつ面倒くさいこと言ってるなー」と思うかもしれませんが、私以外の爆誕会参加者の方々にはTwitterに載せている告知程度の理解しか求めませんので安心して読み飛ばしてください。

なぜ爆誕会を始めたのか

きっかけ

大宮さん(OOMIYA)、くにやさん(ID928)と2018年末頃に「VRCには思ったより若い人が多い。たまにはおじさんだけで飲む会をやりたいね」という風なことを話していて、一方で「せっかく若い人の方が多い世界に来たんだから、おじさん同士で固まっているのはもったいない」という思い*1や「VRの世界で基底現実の年齢を持ち出すのは野暮じゃないか」という思いがあり、しばらく躊躇していました。ですが、お二人に背中を押してもらって、第1回の開催に踏み切りました。今でも基本的な思いとしては先に挙げた2つの思いは私の中にありますが、「隔週開催2時間程度のイベント」をする分には年齢制限のあるイベントがあったって良いと考えています。

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爆誕会の最初の写真(左:くにやさん、右:大宮さん)

会の方針

なぜ爆誕会をやろうと思ったのかは、会の方針にも表れていると思うので、方針も見ていきましょう。Discordに2019/1/21から掲載している以下の文面通りですが、本稿では少し解説を加えたいと思います。

1.VRだけど非VRと同じように居酒屋で何人かで酒を飲みなながら、まったりと飲みたい。
 (そういう雰囲気でやりたいという話なのでお酒は必須ではないし、居酒屋ワールドでやるとも限らないよ!)
2.未来の話も過去の話もしたい。その中には世知辛い未来の話も帰りたい過去の話があってもいい。元気じゃなくてもいい。
3.ゆるやかに入退室できる形にしたい。
 (人が今後増えるかもなので、ユルさを確保しつつ、うまく回していくやり方は検討していきたい)
4.主催者であるNakaYoshikawaを中心にして上記1~3を達成しようとする時、有効そうなフィルタリングの一つとして上記「想定する参加者」を設定した。若者と距離をとりたいわけではない。

まず「1.VRだけど非VRと同じように居酒屋で何人かで酒を飲みなながら、まったりと飲みたい。」について。私は社交性はあまり高くないと自負していますが、気のおけない仲間と居酒屋で飲むのは好きで、それをVRCでもやりたいと思っていました。最初は居酒屋ワールドで開催していましたが、2つの理由によりあまり居酒屋感のないワールドで開催するに至っています。1つは爆誕会独自の情報を持たせたワールドを使いたいので私の自作ワールドを使っているが私に居酒屋感のあるワールドを作るスキルがないこと、もう1つは上記「気のおけない仲間と居酒屋で飲む」の文の中で「居酒屋」部分にはあまり拘る必要はないと考えているためです。とはいえ、いずれ爆誕会居酒屋ワールドを作ってみたいとは思っています。

次に「2.未来の話も過去の話もしたい。その中には世知辛い未来の話も帰りたい過去の話があってもいい。元気じゃなくてもいい。」について。「VRには無限の可能性がある!」的なノリも楽しくて好きなんですが、そういうノリでやっていくには一定の体力が要ると思っています。私の経験上の話ですが、加齢とともに身体の衰えや親しい人間の喪失の経験が増えていきますし、仕事や趣味では自分にとっての「あがり」(限界)が見えてきます。そんな中でも明るい未来を信じてやっていこうという気持ちと、未来(終末)への不安を吐露したり過去の楽しかった思い出に浸ったりしたいという気持ちは、私の中に共存していて、元気な時は前者の気持ちで頑張り、元気じゃない時は後者の気持ちで頑張らない、で良いのではないかと思っています。周囲を見渡した時、前者のためのイベントは他の人が供給してくれているように思ったので、私は後者の気持ちをもってVRCにログインした人も安心していられる場を供給したいと思いました。別に暗い話をする会をやりたいわけじゃないんですが、暗い話も気兼ねなくできる場にはしたいと思っています。

3点目として「3.ゆるやかに入退室できる形にしたい。」について。これはVRCのイベントは事実上だいたいそうだと思いますが、スッと入ってスッと出ていくのが苦にならない空間にできればと考えています。

最後に「4.主催者であるNakaYoshikawaを中心にして上記1~3を達成しようとする時、有効そうなフィルタリングの一つとして上記「想定する参加者」を設定した。若者と距離をとりたいわけではない。」について。想定する参加者というのは「自称1989年以前生まれのVRCプレイヤー」です。これは範囲広すぎるのではと自分でも時々思うんですが、今のところ、告知に前向きな言葉を多用しない、広報を大々的にやりすぎない*2、会の門戸に立っている私自身が会の雰囲気を体現している(?)、等の理由からか、結果的にはほど良い集まり具合になっていると思います。

今回この記事では「こうありたい」ということについて色々明文化していますが、私が一緒に居たいと思う人ほど「自分はひょっとしたら雰囲気を壊してしまうかも」と遠慮してしまいそうなので、告知では多くを語りすぎないようにしています。あれこれ書いても初見の人には何を言っているのかわからないのでできるだけシンプルな形で伝えたいというのもあります。本稿は9割自己満足で書いているので、そういう配慮はしていません。

爆誕会とは何なのか

昭和生まれのおじさんの会なのか

爆誕会は昭和生まれのおじさんの会なのか?」と問われれば、雑に答えれば「だいたいそんな感じ」なのですが、方針や告知の言葉に「昭和」も「おじさん」も入れていないのはたまたまではなく意図的なものなので今回は雑に答えるのではなく少し丁寧に答えてみようと思います。その場合、上記の問いへの最初の答えは「そう捉えても事実上は概ね合っていると思うが、会の理念としては必ずしもそうではない」ということになります。

昭和の会ではない

なぜ「昭和」ではないのか。単に1989年には昭和64年と平成元年が含まれるからと考えることもできますが、私の意図としては日本の元号に馴染みのない海外の方や何らかの信念により元号を使うことを良しとしない方も参加しやすいようにという思いがあります。では西暦なら同様の懸念が無いのかと言えば、あるのですが、国籍や政治信条ゆえに参加しづらい場合が少なそうなのは西暦であろうと思い、西暦表記にしています。

おじさんの会でも、おばさんの会でも、大人の会でもない

なぜ「おじさん」ではないのか。男性だけ参加資格があるように見えてしまうからという話もありますが、だから「おばさん」も併記すれば良いというものではありません。既に一度、本稿では「おじさん」という言葉を使っていますが、人となりがある程度わかっている相手と文脈を踏まえながら「おじさん」「おばさん」という言葉を使う分には問題ないと考えていますが、不特定多数に爆誕会の趣旨を説明しようとする時に「おじさん」「おばさん」という言葉は使いたくないと私は考えています。

その理由の1つ目は、それらの言葉がもつ侮蔑的な意味合いです。個人の自虐として使う分には有りだと思いますが、単にある年以前に生まれたというだけの人たちを私の自虐に巻き込むわけにはいきません。

理由の2つ目はそれらの言葉がもつ「大人」という意味合いです。告知で「大人の会です」的なことも言いたくないと考えています。年齢制限を設けることで基底現実において一定以上の人生経験がある方が集まる場になっているとは思いますが、門戸には制約を設ける一方で、門をくぐった後には基底現実で強いられている「大人」としての振る舞いは一旦忘れて過ごすことができれば良いと思いますし、また幸か不幸か*3、年輪は重ねてきたけども、所謂「年相応」の経験を積んでこなかった方に「年相応であれ」と強いるような場にはしたくないという思いもありました*4

なお、こうやって落ち着いて文章を書いている時は推敲しながら言葉の使い分けができるのですが、私は口頭での即時応答を求められるコミュニケーションはものすごく下手なので、「原則として参加者の自由に任せ、過保護をしない」ということを言いたいために「みんな大人なんだから」云々と言ってしまうことはあります*5

NakaYoshikawaを囲む会なのか

爆誕会は、私、NakaYoshikawaを囲む会なのか。

方針4に「主催者であるNakaYoshikawaを中心にして」という文言がある通り、一面においてこの答えははっきりと「Yes」となります。私はまず第一に私のために爆誕会を主催しています。だから今まで楽しく主催を続けられています。私の環境を整えた結果として、Discordサーバがあり、ワールドがあり、告知があり、参加してくれる方々が居ます。

しかし、別の一面から言えば「No」とも言えます。私は参加者の方々には私が何者かということを意識せずに過ごしてもらいたいと考えています。私のことを意識するのはJoinする時だけで、あとは私のことは放っておいて楽しく過ごしてもらえたら、私は幸せに思います。参加条件に「自称1989年以前生まれのVRCプレイヤー」を掲げているのであって、「NakaYoshikawaを好きになってくれる人」を掲げているわけではないので、たとえ告知やワールドの雰囲気という私の価値観が表れたものによりふるい分けがなされるとしても、それ以上のことを求めるべきではないと考えています。参加条件の射程を広くとっていることに伴う最低限の考慮すべきことだと思います。もちろん、結果的に私のことを好きになってくれる人がいれば嬉しいことですが、仮に私のことを苦手だと思う人であっても、Joinした後は私以外の人と楽しく過ごせるようにしたいです。また、これはほどよく放っておかれた状態で飲みたい私にとっても都合の良いことです。

これを読んでいる私以外の誰かは、私のことをインスタンスを立てるだけの人*6くらいに思って爆誕会に参加してもらえればと思っています。

*1:これは若い人を外国人、おじさんを日本人に置き換えると、VRC始めた当初の私の思いになります。方向性としては一緒の思い。

*2:最初はイベントカレンダーに載せるのも渋々でした。

*3:と曖昧な言い方にするのはそれが当人にとって不幸なのかはわからないため。周囲の人にとっては不幸になりがちな気はします。

*4:脱線し過ぎる懸念があるので本稿ではこれ以上触れませんが、「年相応であるべきか否か」という話と「不本意に場数を踏めないまま加齢してしまった人が場数を踏んでいくことができる場としてのVR」という話がそれぞれ別の話としてできると考えていて、私は前者の話については基本「否」であり、後者の話についてはVRの明るい可能性のひとつとして考えています。

*5:先日の定例飲み会の乾杯の時を思い出しつつ……。

*6:爆誕会での自分の役職名を「インスタンス設置人」にしようかと思ったくらいですが、何か責任を問われる事態があった場合に責任をとれる人がいるべきだと考え、「代表世話人」というそれっぽい名前にしました。